稲葉稔著「雀の墓」
<あらすじ>
江戸城の警衛にあたる大番組の与力と同心が、下城途中に相次いで斬殺された。目付の武藤左五郎に命じられて探索を始めた先手御用掛の宇佐見平四郎と菅原房之介は、殺された二人の悪評と、同じ組の同心・小柳弥市に対する酷い侮蔑に強い憤りを覚える。書き下ろし長編時代小説、好評シリーズ第三弾。
なんともあと味の悪い題材。こんな時代にもイジメがあったんだなぁ。そうだよね、いつの時代でも人間というのは一番残酷な生き物なんだから。しかし渾身の長編で、最後はなかなかさわやかで粋な感じに終わらせてくれた。このシリーズも一時期より落ち着いてきたかな。