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高橋克彦著「だましゑ歌麿」
<あらすじ> 江戸を高波が襲った夜、人気絵師・喜多川歌麿の女房が惨殺された。歌麿の絵に込められた風刺を憎む幕閣から妨害されながらも、事件の真相を追う同心・仙波の前に、やがて明らかとなる黒幕の正体と、あまりに意外な歌麿のもう一つの顔とは!?浮世絵研究の泰斗でもある著者が、満を持して放つ傑作時代小説。 いやー、まいった!本当に恐ろしいほど吸い込まれた。主人公とその身内以外は全員実在した人物でこういう話を作るとは…。事件の裏にまた事件、その裏に見えてくる太刀打ちできないような人物、綱渡りの中での大どんでん返し、もう全てが面白い。ただの時代小説ではなく、ただのミステリーではなく、贅沢な要素をすべて詰め込んで隙のない、著者の最高傑作ではないだろうか。以前、この続編の方を先に読んでしまったが、やはり順番に読むべきだったと反省している。面白さがまるで違ったことだろう。 そもそも江戸後期の絵師たちを配役するのは読むほうとしても楽しいが、この作者にかかると生き生きと動いていて、本当にこういう人だったんじゃないかと思わせる。この圧倒的な筆力にはまったくお手上げだ。
by konomi1113
| 2006-10-14 20:32
| 読んだら書くぞ!
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