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多田容子著「やみとり屋」
<あらすじ> 徳川五代将軍・綱吉の時代。「生類憐れみの令」の圧政下で、密かに鳥を焼いて浪人たちに食べさせる隠れ宿があった。宿を営むのは、春之介と万七郎。露見したら最悪「死罪」だ。悪政に反発し鳥を食べ、自由に語り合っていた彼らだが、何者かの密告により窮地に追い込まれた。 あらすじを読んで面白そうだなと思い購入してみた初めて読む作家さん(学習能力ナシ)。 事件を調べる側でもなければ、法の目を掻い潜って悪に裁きを下す側でもない。言葉の極意はボケとツッコミがきれいに決まったときというようなことを真面目に説くかと思えば、退廃的で刹那的な雰囲気も随所に感じられる。加えて、つかみ所のないキャラクター達。これは一体どういう方向なのかと悩みながら読んだ。後半、雲行きが怪しくなり、どこに落とすのだろうと興味深々になった。これはネオ・時代小説か?でも決して読後感は悪くない。むしろしばらく心に残った。この作家さんの他の本も読んでみたくなった。
by konomi1113
| 2006-06-12 17:42
| 読んだら書くぞ!
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