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読書好きの集う処(蒼月#)
by konomi1113
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「硝子の殺人者」東京ベイエリア分署 ハルキ文庫
今野敏著「硝子の殺人者」
「硝子の殺人者」東京ベイエリア分署 ハルキ文庫_f0015139_23303249.jpg
<あらすじ>
東京湾岸で乗用車の中からTV脚本家の絞殺死体が発見された。現場に駆けつけた東京湾臨海署(ベイエリア分署)の刑事たちは、目撃証言から事件の早期解決を確信していた。だが、即刻逮捕された暴力団員は黙秘を続け、被害者との関係に新たな謎が―。華やかなTV業界に渦巻く麻薬犯罪に挑む刑事たちを描く、安積警部補シリーズ待望の刊行。

便利屋としていいように使われている安積班。それでも自分達の仕事に誇りを持って、仲間を信じて、日々足をすり減らしている彼らに悲哀すら感じる。これは警察官としての、ではなく人生を背負った社会人としての彼らの側面を描いているからこそ、魅力のある小説になっているのだろう。同時に警察官は市民の味方ではないんだということも判ってしまって苦いものも感じるが。相楽がやけに協力的だったのも不気味。
# by konomi1113 | 2008-05-30 23:27 | 読んだら書くぞ!
「二重標的(ダブルターゲット)」東京ベイエリア分署 ハルキ文庫
今野敏著「二重標的(ダブルターゲット)」
「二重標的(ダブルターゲット)」東京ベイエリア分署 ハルキ文庫_f0015139_22145298.jpg
<あらすじ>
東京湾臨海署(ベイエリア分署)の安積警部補のもとに、殺人事件の通報が入った。若者ばかりが集まるライブハウスで、30代のホステスが殺されたという。女はなぜ場違いと思える場所にいたのか?疑問を感じた安積は、事件を追ううちに同時刻に発生した別の事件との接点を発見。繋がりを見せた二つの殺人標的が、安積たちを執念の捜査へと駆り立てる―。ベイエリア分署シリーズ第一弾。

これが間違いなく安積班の第一作目。シリーズ後半よりもずっと安積さんの若さが目立つ。人間味も表現が少々青臭い。長いライバル(?)となる相楽も登場。しかし終盤の畳み掛けは超一級で、鳥肌が立つほど面白い。まだ桜井がはつらつとしているところがいい。続けて次巻へ。
# by konomi1113 | 2008-05-29 23:24 | 読んだら書くぞ!
「ビート」警視庁強行犯係・樋口顕 新潮文庫
今野敏著「ビート」
「ビート」警視庁強行犯係・樋口顕 新潮文庫_f0015139_23271069.jpg
<あらすじ>
警視庁捜査二課・島崎洋平は震えていた。自分と長男を脅していた銀行員の富岡を殺したのは、次男の英次ではないか、という疑惑を抱いたからだ。ダンスに熱中し、家族と折り合いの悪い息子ではあったが、富岡と接触していたのは事実だ。捜査本部で共にこの事件を追っていた樋口顕は、やがて島崎の覗く深淵に気付く。捜査官と家庭人の狭間で苦悩する男たちを描いた、本格警察小説。

なんだか前半は「蓬莱」の安積班のようで、樋口の出番はほとんどない。それどころか完全に脇役に回っている。終盤になって活躍というほどではないにしろ樋口らしさが出てくるが、やはりこれは島崎親子の物語だと思う。しかしこれはこれで面白かったし、今野氏の博識ぶり、特にダンスに関する知識には驚かされる。本人の弁にあるように、随分力の入った力作だ。
# by konomi1113 | 2008-05-29 00:25 | 読んだら書くぞ!
「紅梅」浄瑠璃長屋春秋記(三) 徳間文庫
藤原緋沙子著「紅梅」
「紅梅」浄瑠璃長屋春秋記(三) 徳間文庫_f0015139_2347864.jpg
<あらすじ>
事情も話さず家を出た妻を江戸に求める青柳新八郎は、「よろず相談承り」を世過ぎに、厄介事を上手く捌いている。そんなある日、新八郎は、隣人八重と見習い同心啓之進から、姿を消したすっぽんの仙蔵を探してほしいと頼まれた。ところが、いま用心棒をつとめている「なんでも買取り屋」と仙蔵が、思いもよらぬ糸で繋がっていることを知り…。

確かに前2巻を読んだはずだが、まったく記憶にない。読み出せば思い出すだろうと思ったが、アルツが進んでいるのかとうとう最後まで思い出せないままだった。それでもそれなりに楽しめはしたが、今現在読んでいる他のシリーズモノのようなグイグイ惹きつけられる魅力は感じない。時間もかかって途中で他のを読みたくなってしまった。もうこれは買わなくていいかなぁ。
# by konomi1113 | 2008-05-23 23:09 | 読んだら書くぞ!
「おしどり夫婦」研ぎ師 人情始末(七) 光文社文庫
稲葉稔著「おしどり夫婦」
「おしどり夫婦」研ぎ師 人情始末(七) 光文社文庫_f0015139_2313729.jpg
<あらすじ>
浅草蔵前の札差、江橋屋の倅・音吉が何者かに連れ去られ、二百両の身代金を要求された。相談を受けた臨時廻り同心の横山秀蔵は、下手人捕縛に動くが失敗。その後、音吉の死体が発見された。困惑する秀蔵に、従兄弟の浪人・荒金菊之助が助となり探索に奔るが、手掛かりは掴めない。そんな時、菊之助の女房・お志津が漏らした一言が切っ掛けとなって…。第七弾。

毎度この人の読後感想に書くことだが、ひとつの事件をじっくり長編で読めるというのは本当に素晴らしい。それには緻密な筋立てが必要で、書くほうもじっくり腰を据えて書かないとグダグダになってしまう。しかし最後には上手くまとめてくる力があるからこその長編だ。とくに今回のラストには泣かされた。いいシリーズだ。
# by konomi1113 | 2008-05-22 23:10 | 読んだら書くぞ!