鈴木英治著「春風そよぐ」
<あらすじ>
執拗に狙ってくる見覚えのない浪人が、十六年前に関わった事件に絡んでいることを悟った丈右衛門。いまだ脳裏から拭い去れない、たった一つの事件ーその謎とは?そして、浪人の使う恐るべき秘剣に御牧父子は、どう立ち向かう!?
第二弾。今回は、何故丈右衛門が狙われてるのか、誰に狙われてるのか、お春が丈右衛門に懐いてる訳など、すべてが明らかになる。その過程も面白いが、敵との対父子対決や勇七との掛け合い、普段の探索ぶりなど、どれをとっても楽しめる。随所に謎をちりばめたりする手法は得意なのだろうが、それよりも流れがいい。さくさく読み進められる文章の上手さ、これが一番の特徴かもしれない。