井川香四郎著「天翔る」
<あらすじ>
棄捐令を批判した廉で捕らえた御家人牛尾秀馬の身辺を探れと、田沼に命じられた大目付の大河内政盛。島送りは解せぬと調べ直しを父に迫る、牛尾と肝胆相照らす仲の右京。カミナリ親父とひょうたん息子が、闇に蠢く大悪を一刀両断する。
シリーズ第二弾。今回も棄捐令を批判した御家人の話、将軍の鷹狩りのお供で八王子の方まで出かけた話、数学者の話、幕閣の要人と手を結んだ悪徳商人を仇討ちの為人を騙してお金を貯める遺族達の話と多岐にわたる。大河内親子を弄んでいる(かのように見える)綾音の存在はうっとおしいだけだが、父子喧嘩は益々さえわたりその世相とは裏腹に、明るくて楽しい。これ、ドラマにしても面白いんじゃないかなぁ。