佐伯泰英著「風雲」
<あらすじ>
幕末の波高し!若き剣豪に新たな使命が――千葉周作なき玄武館を左片手突きの道場破りが襲う。喉を狙った長刀に、藤之助は天を突く大きな構えで応じた……。異国の大艦が四海に押し寄せる危急の時、剣に生きる座光寺家の若き当主に、老中首座堀田正睦より長崎行きの命が下る。伝習所候補生らを率い、嵐の海を往く藤之助を待ち受けるのは!?
随分幕末も迫ってきて、まさに風雲急を告げる時代になった。どの角度から見るかで全然違うし、受け止め方も様々なこの微妙な時代だが、佐伯泰英だから安心して読める。彼なら間違いないだろうという気持ちで読んだ。その通り、主人公は嵐の中でもしっかりと立って全てを受け止めようとしている。とても気持ちのいいある種理想の人間で、次の問題はどう乗り越えるんだろうとワクワクしてしまう。歴史上の人物もゴロゴロ出てきて益々面白い。