大沢在昌著「狼花」
<あらすじ>
大麻所持で逮捕されたナイジェリア人の取調べにあたった鮫島は麻薬ルートの捜査に乗り出し、盗品を専門に売買する「泥棒市場」の存在を突き止める。この組織の背後には鮫島の宿敵、仙田がいた。一方、鮫島と同期でキャリアの香田は新設の組織犯罪対策部の理事官へ異動。香田は外国人組織の撲滅のため暴力団と手を組むことを画策していた。シリーズ最大の問題作。
久々の「新宿鮫」で、初めはややこしくて面倒だなと思いながら読み始めたが、すぐに鮫島の視点になって面白くてグイグイ読んだ。相変わらずの閉塞感。常に追い詰められている感じ。晶とも上手くいってない雰囲気がひしひしと。キャリアと現場との板ばさみに勝手になって、苦しんでいる姿がなんとも辛い。でもなんでこんなに惹かれるんだろう。鮫島がどんどん年を取っていくのが淋しい。