柴田よしき著 「蛇(ジャー)」下巻
<あらすじ>
京都宝ヶ池。石田陽一とデート中の女子大生・加々見舞子は大好きな兄の家に赤ん坊が生まれることに戸惑っていた。兄も兄嫁も赤ん坊も居なくなればと願った。病院から、赤ん坊がさらわれてしまう。舞子と陽一は赤ん坊を取り戻す旅に出た。竜に掴まって!時空を超えた過酷な冒険が始まった…。
「RIKO」はどうも好きな感じではなかったけど、これは楽しかった。最初は文体が気になったし、何となく作り物っぽい雰囲気がしっくりこなかったが、読むうちにどんどん面白くなってきた。歴史とか土着信仰の話も織り交ぜてあって、興味深いところを衝いていた。
道徳的な観念の話といえば硬いが、結局それに尽きるんだろうなぁ。耳の痛い、しかし大切な事を教えてくれる雄大なファンタジーだった。