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高橋克彦著「鬼九郎鬼草子」
<あらすじ> 根来忍者の頭領・左甚五郎を追って鬼九郎達は会津へと向かった。時を同じくして、幕府内部では会津藩にまつわる陰謀が噂されていた。これらの動きにどんな関係が?事態の全容がつかめぬ間も、甚五郎の放った傀儡衆が次々と眼前に立ちはだかる。鬼九郎の剣と幻戯の術。軍配ははたしてどちらに上がるのか…。シリーズ第二弾。 舫九郎、幡随院長兵衛、唐犬権兵衛、天竺徳兵衛、高尾太夫の5人ははっきりとした謎の正体もわからぬまま会津へと発つ。そして会津で天海僧正、柳生十兵衛と合流。行きも帰りも楽ではない。敵もはっきりとはわからない。最後までモヤモヤしたままの旅が続く。 でも面白い!第一部ではここまで面白いとは思わなかったんだけど、高橋克彦がスロースターターなのか、尻上がりに調子が出てきて、読むほうもリズムが掴めるというか、本当に楽しくなった。 うっかり、第一部のあとがきを読み忘れてたから判らなかったが、「舫九郎」以外は天竺徳兵衛も幡随院長兵衛も同時代に実在する人物だった。そこで「江戸切絵図」で「幡隋院」を探してみたら、寛永寺の南の方にあった!何だか嬉しい! 3代将軍の時代、まだ幕府の体制は盤石とは言えない頃で、すごく濃いキャラの面白い人間たちがウヨウヨしていたんだね。今回、由比正雪も敵役で登場していて(表紙絵にもなっている)、人物の構図もはっきり分かれてとても読みやすくなっている。何だかずっと彼らの様子を見ていたいような、永遠に読み続けていたいような気になってくる。本当に面白い小説だ。
by konomi1113
| 2005-12-10 22:02
| 読んだら書くぞ!
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